片翼の天使 38
王ドラ「…どうすればいいんですかね?」
プッチ神父「もはや、どうしようもないのではないのか?【以前の私なら可能だったかもしれないが、今は不可能だろう。残念な話ではあるが。】」
絶望感しかない。まさに、そういった感じであろうか。いくら何でも対処のしようがなさすぎる。が、そんな中、何とかしようと奮戦するものが二人いた。山本時空省次官と辻谷臨時時空省職員の二人だ。
山本「いや、何とかして見せる。この男だけは何としてでも食い止めて見せる!」
山本次官は、相手が繰り出すありとあらゆる剣術や魔法を食い止める。辻谷も、相手の技に合わせて山本を守らんと適格な剣術で防いでいく。
山本次官も魔法ならこちらはそれに負けない斬撃を、相手の剣術がこようならそれを捌く魔術を、的確かつ冷静に相手に対し繰り出していく。圧巻だったのは、相手と距離をとりながらの魔術合戦だ。山本とセフィロスは、互いにわけのわからないスピードで、超高速の技の出し合いを始める。この時は、流石に辻谷も間に割って入ることはなく、ただの観客状態となっていた。
ガッツ「…なんじゃこりゃ。俺たちはいったい今何を見てんだろうな?」
ドラ・ザ・キッド「花火でも見てるんじゃないかなこりゃ。こんなん、他のみんなに言ってもしんじられらいだろうな。」
同じく、観客状態になっている二人に辻谷はこう答える。
辻谷「ああ、ほんと、いつ見てもバケモンだよ、うちの次官さんは。もうしばらくは、おいも割って入れん。」