冬木編 はじめはアインツベルン城 32

眼下にいる海賊に絶叫する男。が、もう何もかも手遅れだ。ローは宙に向かって斬撃を繰り出すと、直に刃が当たっていないのにかかわらず、ロボットは切断される。

 ロー「これで終わりじゃねぇぞ。今度はこうだ。【タクト】。」

 グラノ「うわ!!何だ!?」

驚くのも無理はない、さらなる斬撃で、今度はローが作り出した薄いドーム状の膜の中ですさまじいことが起こる。ローが切り刻んだありとあらゆるものが宙を舞っているのだ。

 ロー「俺の能力はオペオペの実っていうんだけどな、これは【ROOM】という薄い膜状のドームん中を俺が自由に執刀できる手術室に変えるのさ。切った物体、生物非生物問わずくっつけたりすることもできる。他にもごらんのとおり、空間内でさえあれば、俺の思った通りに自由に動かせたりもできる。さっきミサイル発射しようとして失敗しただろう?そいつは俺が全て抜き取ってやったからさ。…しばらくそうやって宙でも舞ってろ。そうやって、今まで自分の仲間を苦しめてきた報いを受けるんだな。」

 

グラノは、ローが切り倒した森の木々、自分が模型を現実に作る能力で作ったロボットの部品たち、そして、ありとあらゆる物体。それらは激しく宙を舞いながら、合体したり、衝突したりしながらまるで嵐のようになっていた。そうしてしばらくして、グラノはもうどうしたらいいのか訳が分からなくなり、考えを止めて気絶した。