再臨・片翼の天使 ノウムカルデア 31

銀の長髪をたなびかせる、いかにも科学者という衣装をまとったその人物…いや、人の姿をした化生が立体映像に割り込んでくる。銀色の髪をたなびかせ、息を飲むような、まさに、この世の者とは思えない美貌を持ってはいるが、何故だろう。人間として生理的に受け付けない不気味さを兼ね備えた者だ。

 

 ダヴィンチ【なんだこの不気味さ?彼女、人の姿を取ってはいるけど人間じゃない。】

それを感じ取っているのは立体映像越しのマスターとマシュも同じだった。この感じ、どこかであった筈なのだが…

 ジェノバ「あら?私の雰囲気にちょっと呑まれがちかしら?ここの人たちって勘が鋭いのね?…単に、二人も異空間にあるこのカルデアに入ってきてしまったことに警戒されているだけかもしれないけどね。」

 

一応、彼女なりに相手に配慮しているのだが、それでもどこか威圧的だ。それもその筈、その気になれば、このカルデアを崩壊させられるという余裕からきているものだ。…が、もしそれをやると、【あの組織】が絡んできて話がややこしくなってしまうためやらないが。

 マシュ「ジェノバ博士とおっしゃいましたね?一体何が目的でこのカルデアに?今、二人でと言ったようですが、もしかして今の爆音は…?」

 ダヴィンチ「それに関しては私から話そう。…自分でもなんでこんな失態を犯したのかいまだに分からない…。恐らく、そこにいるお姉さんに聞いたらわかるんだろうけど。いまやっとあるデータの解析ができたからそこから手短に話そう。」