幕間 3-1

 話の続きが非常に気になるところだったが、もう間もなく目的の場所、デスシティーに到着する予定の時刻になったので、一同は車から降りる準備をする。町は非常に賑やかで、今まで見たことのないような景色が広がっているらしい。只、街の景色を例えるならば、街一面が幻想世界をハロウィーン風にしたような物らしいというさっぱりわからない説明が山本の口からなされた。

 九十九「…なんだかよく分からない説明だなこりゃ。まぁ、ものすごく独特なところなんだろうなぁとは想像つくけど。」

 ユリウス「うむ、確かに分からないな。実際に目で見たほうがよいのだろう。…む、大統領閣下どうなされた?」

ヴァレンタインは車の窓を開いて頭を出し、進行方向を見ている。すると、今まで山本の言っていた意味が少し分かったような気がした。

その頃、山本とバレンタインは、無線で互いにこれからどうするかやり取りをしていた。両者とも、国家を左右する重要なポストについている。しかし、今は少し休憩しているのか、目の前にある街の話に話題が切り替わっていた。

 ヴァレンタイン「成程、君の言っていた意味がよくわかったよ。…あれははっきり言って奇抜にもほどがあるんじゃあないのか?」

山本は、ヴァレンタインの髪形を見て思わずあなたの髪形も負けず劣らずですよと言いたくなったが、ここは何も言わないこととした。かくいう自分も迷惑をかけている上に分かりにくい説明をしたのだ。その代わり、自分に話が振られたようなのでここは素直に質問を返すこととした。

 

 山本「確かにかなり奇抜ですよねぇ。でも、街自体はなかなか面白いですよ。自分もよく妻と一緒にこの街へ買い物へ来たりしますし。ああ、勿論時空省に許可を得た上で、更に変装してですが。」

 ヴァレンタイン「ふむ、そうか。この国の未来はこのような町があるとはな。…まぁ無理だとは思うが、君の口からはこの時代の、この国については話せるか?」

 山本「そうですね、あなたはこの時代からすると、100年以上前の人間です。そのに何があったのかはほとんど話すことが出来ませんが…。」

山本も一緒に顔を出し、一緒にデスシティの外観を見つめる。

 山本「ええ、何かと問題は多々ありますが、大きな国にはなったはずです。」

その言葉に満足したのか、ヴァレンタインは笑みを浮かべる。自分の国が立派になったことを彼は心から喜んでいるのだろう。