冬木編 はじめはアインツベルン城6
山本「それならこちらで何とかしましょう。…問題は、この城に誰が残るか?」
イリヤ「そうね…。その前に、あなたのことについて聞かせてほしいわ、お兄さん。」
山本「お、お兄さん。」
今度は屈託のない笑みを浮かべながらこちらを見つめる少女。…それならと今まで何が起こったのか簡潔に話す、彼女は最後まで話をしっかり聞いてくれたところ、所感は。
イリヤ「何それいろんなことが起こりすぎじゃないかしら?というか、あなた本当に未来人なのね。あなたの持っている道具をいくつか見せてもらったけど、ほんと、SF世界からそのまま持ってきたって感じの物ね。間違いなく、魔術的なものではないとわかったから信じましょう。」
山本「これはこれは、ありがとうございますお嬢様。」
とこちらは紳士的な礼をする紳士。伊達にお偉いさんではないということを示す動きだ。イリヤは、話を着ているうちに、山本が寝込んでいた病人用のベッドに追いかかっていたようで、そこからぴょんと軽く飛んだ。今度は先ほどと反対側に立ったかと思うと、そのまま反対側にあったベッドに座り込みながら山本に話しかける。
イリヤ「それにしても、偽の冬木の私はやたらお人形さんみたいね。生きてるって感じがしないもの、話を聞いてる限り。」
山本「ま、確かに今考えるとあまり人間味はなかったかな?今の君は、まるで美しい雪の妖精みたいだ。」
どうやら、その言葉を聞いて顔を赤らめてしまったようだ。小悪魔っぽいところもあるけど、割と根っこの部分は素直なのかなーとかおもっていたら、何故かヘロヘロになっていたクラウドが部屋に入ってきた。