決戦 アインツベルン城 6

 山本「まず二人だな…。さて、残りは後三人だな。」

と、完全に決めつけている山本。が、しかし。まだ二人は生きている。鬼は、日輪刀で首を斬らない限りは決して死ぬことはないのだ。鬼二人は、首を斬られて胴が体と離れているという状況なのに、そのまま山本に対して怒りの突っ込みを入れるという奇妙な状況になっていた。

 矢琶羽「ちょっとまて!わしらはまだ生きとるぞ。」

 朱紗丸「そうじゃ!そもそも、わしらは日輪刀か太陽の光を浴びん限り死ぬことはないのだぞ!!」

そう、彼らの言う通りなのだが、彼らはあることを忘れていた。まず、何故自身の首が切られているのかということ、そして、刀ということに対して先入観があるということだ。

 

 山本「よく考えてみろ鬼よ。まず、何故日輪刀ではないのに首が斬られているのか。そして、お前達のもう一つの弱点についてよく考えてみろ。」

矢琶羽はその言葉で思い出した。切られた衝撃で忘れていたのだが、首元に感じるこの違和感。…そうか、単に刀で首を斬られたわけではなく、【太陽の力】を浴びてこのような状況になっていたのだ。

 

 矢琶羽「なに!!それでは貴様、その光る剣の正体は!!」

 山本「気が付いた?そうさ、この剣は【太陽属性】が混ざっているのさ。君たち二人の首は、太陽の力によって切断されたというのが正しいのさ。ま、致死には至らなかったようだけど、そのまま戦闘不能になっててもらう。体も動かせないようだし、そのまま朝になるまで待っているんだな。」