決闘 足利義輝 4

山本【いやいや、剣の腕も単純にすごいけど、なんなんですかね?もし早世してなかったらあんな超能力使えるようになっていたという解釈でOKなのかね?】

 

おそらく、そんなことはない。我々の住んでいる世界である【汎人類史】では絶対にそのようなことは起こらない。彼は、あくまで並行世界の人物。まずそんなことにはならない。そもそも、彼がいた戦国時代というのは、我々が知っているのと成り立ちがいくら何でも違いすぎるのだ。

 山本【いや、何か端末にデータが…て、え?なんだこれ?…いや、あの将軍そういうことなの!?】

彼が驚くのも無理はない。小型端末に送られたデータをすさまじい速読力で理解した後、彼は絶句していた。

 

 山本「いやいや、将軍殿?あなたの住んでいた世界どうなってんの?自分が知ってる日本史と全く違って混沌としてませんか?」

互いにいったん手を休める。義輝は、山本次官のリアクションを見て、少々自分語りを始めたいようだ。

 義輝「そういえばそうだったな。君たちの世界では、西暦1467年に応仁の乱という事件を経て戦国の世が始まったということらしいではないか?が、私の世界線ではそのようなことが起こらず、私が【天政奉還】を行った故に戦国の世が始まったのだ。」

 

そう、我々の世界では、応仁元年【西暦1467年】に足利幕府の権威失墜と大名の権力闘争に起因したために起ったが、彼の世界ではだいぶ事情がことなるようである。