決闘 足利義輝 8
ヴォーティガーン「それはいいね。僕も君を労うとしよう。さて、俺はもう次の仕事があるから残念だけど行かせてもらうよ。」
ゾフィス「そうですか。では、また会いましょうヴォーティガーン殿。」
ヴォーティガーン「んじゃ。あ、そうそう、行く前に言い忘れたことがあるんだけどいいかな?」
ヴォーティガーンは去り際に一旦足を止め、ゾフィスという魔物の方を振り返る。ゾフィスは、彼が何か言い忘れたことがあったのだろうとだけ思い、そのまま何も疑問を持たずに聞き返す。
ゾフィス「どうかされましたか?何かおありでしたら私に言ってくれればなにとでも。」
ヴォーティガーン「あ、そう?わかった。なら…」
ゾフィスは、自分の何気ない一言に後悔することになろうとは全く思わなかった。気づいたときには、ヴォーティガーンの鍵爪状になっている腕が己が臓物を突き破る。
ヴォーティガーン「死んでくれやくそ野郎、だれがテメェに労われてやるか。」
何故だかわからないという顔をするゾフィス。今まで仲間だと思っていた者に裏切られるとは。いや、何故自分はそんなことに微塵も気が付いていなかったのだろうか疑問に思ったが、あふれる血が物語るように思考が弱くなり始めて