第一部 終章  戦いを経て 3

そうして、己を【ヴォーティガーン】と名乗る男は、那由多銀河の作り出した異空間の部屋から退出する。ヴォーティガーンはそのままどこかへと行こうと考える。 

 ヴォーティガーン「…よしよし、俺の嘘は神を超越してるとかいうやつでも見破れないらしい。…が、感づいてはいる感じがするな。さてさて、どうしたらいいかな。マスターの無事が分かっただけでもよし、このまま、この場所にいるのが利口かな?…しかし、悪党どもの悪辣さには反吐が出るねぇ。ま、俺も一回地球滅ぼしかけたけどさ。でもさ、それでもあいつらに関しては問題外だ。気持ち悪くて仕方がない。」

 

そうして、次の戦いが控えている冬木の町並みを見ながら次の手を考える。さて、どうやって連中をまとめて消し飛ばしてやろうかと。

 ヴォーティガーン「んじゃあ、何か敵を滅ぼすのにいいヒントがないか過去の記録でも見てみるか。多分、時空省とかいう組織もそうしているだろうし。そうだな、まずは、事の発端でも見ておこう。あれが一番いいだろうからね。」

 

彼は、ひそかに時空省から入手した小型の立体映像機で色々なデータを見返す。はじめは、カルデアを襲ったあの片翼の天使の悲劇から。

 ヴォーティガーン「さて、この話の結末はどう転ぶか?ま、全部俺次第だけどねぇ?」

と、過去の記録を見ながら闇の王子は暗黒の笑みを浮かべるのであった。