2019-01-01から1年間の記事一覧

逃亡劇、そして復活 28

彼女の目は、確かにただ一点を見つめていた。そして、その彼女と同じ方向を向いている者がもう一人いた。日暮かごめだ。何かしら敵に隙が出来たら、自分に合図を送れと言い残し、誰の目にも映らないようにただ一人でその時を待ち続けた。…そして、その時は訪…

逃亡劇、そして復活27

マダラ「奴らには今生の楽園を与えてやろう。…なに、あとは俺に任せれば問題はない。そうすれば不確定要素は消滅する。永遠にそこで夢を見ておればいいさ。…が、今は立て直しが急務だな。」 ゼーナ「それは問題ないわ。退却命令はもう出しておいたし…それに…

逃亡劇、そして復活26

さて、そのころこの戦いを仕掛けてきたほうはどうなのか。こちらはこちらでよろしくない状況となっていた。 マダラ「…相当徹底的につぶされたという訳か。…さすがは米国を裏から操る男。想像以上にやってくれたな。これでは、あの空間を観察できなくなりかね…

逃亡劇、そして復活 25

運がよかったことに、仲間がさらに一人増えたことは非常に喜ばしい展開だ。更に仲間がどこかで増えれば文句はない。一行は、二人に簡単な自己紹介をした後、今まで何があったのかということを聞き、状況を確認した。 ダ・ヴィンチ「ふむふむ、敵を蹴散らして…

逃亡劇、そして復活 24

忠勝「そういえば、先ほどまでいたニケ殿はいずこに…うぅむ、思ったよりこの森は広い。それ故うかつな動きをすれば拙者も道に迷いかね…ん?」 と、ニケを探そうとしたところ、どうやらその当事者が戻ってきたようだ。彼の顔は、何かに解放されたように晴れ晴…

逃亡劇、そして復活 23

サイクロプスは、その巨体に似合わぬ俊敏な動きで忠勝に接近する。そして、プリンは忠勝目掛け炎を繰り出す魔術を使用する。こうすることで、隙の無い攻撃を仕掛ける…はずだった。 勝負は一瞬で決まった。サイクロプスは、フェイントで相手の隙を作り、そこ…

逃亡劇、そして復活 22

サイクロプス「え?ちょっとおめぇらどこに行くんだよ!」 魔物D「どこって、どっか!」 プリン「いやそれ答えになってねぇから!敵前逃亡駄目絶対だから!」 と制止しようとしたのだが、悲しいことにいずこかへすっ飛んでいった。仕方なく、残った二人は、…

逃亡劇、そして復活 21

魔物B「うおぁ!確かにこいつは気絶してる場合じゃねぇな。…ん?もしかして?おい!そこの人間!」 モンスターは、正面に立つ男に話しかける。その男の威圧感は依然として凄まじいもので、モンスターであるこちらのほうが、彼から発せられる【圧】で根負け…

逃亡劇、そして復活 20

が、当の本人は相当真剣である。顔色が完全に蒼白としているのは、ニケの様子を見つめる【彼】の視点からもよく理解できた。ここは、助けて上げるのが上策。その【もののふ】は、愛用の槍を構え、逃げ回る少年の後ろにいるモンスターへ突撃する。 魔物A「こ…

逃亡劇、そして復活 19

その男の視界には、いまだ敵は見えていなかった。しかし、目には見えずとも、辺りから殺気を感じ取る。これは、今まで数多の戦場を駆け抜けてきた彼だからこそ感じ取ることができるわずかなものだ。 ?「さて、いずこから敵は押し寄せて来ようか。敵は四方す…

逃亡劇、そして復活 18

ロマン「残念なことに、どうやらもう間もなく敵陣のど真ん中だ。それに…どうやらもうすぐすると敵が大勢現れるみたいだ。」 フィニス「どうやらそのようだ。こちらからも敵性反応が見て取れる。これは、人間ではない。何かしらの生物反応と見て取れるようだ…

逃亡劇、そして復活 17

ジャンヌ「ルーラー、ジャンヌ・ダルク。参上いたしました。初めまして、皆さん。これからよろしくお願いいたします。」 彼女の礼儀正しさに、時空省の面々は、みなそろって謙虚な気持ちになる。なるほど、これが聖人が発するオーラなのか…と皆しみじみする…

逃亡劇、そして復活 16

マシュ「それは…ありがとうございます。我々もできることをしなくてはありませんね。」 カルデアに出来ることといえば、サーヴァントを現界させること。が、サーヴァントを召喚するには条件があった。 マシュ「後呼び出すことが出きるサーヴァントは…私も入…

逃亡劇、そして復活 15

ロマニ「いやいや、何だかすごい人が出てきた。なんというか、慎み深い雰囲気を醸し出しつつ、かつここまで威厳があるね。」 ダヴィンチ「うむ、これは非常に頼りがいあるオーラを漂わせている方だ。でも、失礼のないようにしないと。」 フィニスの雰囲気に…

逃亡劇、そして復活 14

?「それについては心配は要らない、若者たちよ。すべての国の時空省を治めるトップとして、責任を果たさなくては行かんからね。」 どこからともなく、声が聞こえてくる。どうやら、時空省から誰かが連絡をつないだらしい。その声は、時空省、いや、25世紀に…

逃亡劇、そして復活 13

鬼太郎「父さん今のは一体?」 目玉の親父「うむぅ、何かしらあったようじゃの。むむ、何やら森の中から煙が出ているようじゃな?」 その光景は、彼らの様子を追っているカルデアと、時空省のモニターからもはっきりわかるほどであった。 ロマニ「ああ、こち…

逃亡劇、そして復活 12

とは言え、それはあくまで人間レベルでの話で、自分の体が耐えられないほどの出力をいっぺんに出すことはできないという制約のもとの話ではある。が、それでも十分すぎるほどの力を持っている。さながら、人間兵器といった所だ。 ケフカ【やべぇ。完全に俺の…

逃亡劇、そして復活 11

さて、そんなこととはつゆも知らない山本誠一及びその救出隊、そして彼を取り囲む悪役連中の話に戻ろう。山本から発せられた魔力の爆発現象により、結界は木っ端みじんになり、彼らの姿は白日の下に晒される。そして、山本は、この結界を作り出したケフカに…

逃亡劇、そして復活 10

首謀者は、なぜか【シス】と名乗る者たちをそのまま彼らの好きにさせてほしいと言わんばかりの言い方でマダラとゼーナにそう告げた。マダラは、比較的素直な態度で彼の言葉を受け入れた。 マダラ「そうするとしか言いようがないか。なら、少なくとも奴らの戦…

逃亡劇、そして復活 9

首謀者「ふむ、どうやら失敗してしまったように見える。…なに、案ずるな。そのようなことで一々処断するようなことはしない。それが私だ。」 マダラ「ま、あなたならそう言うだろうとは思っていた。…まったく、つくづくお人好しな男だ。…まさか、これほどの…

逃亡劇、そして復活 8

ケフカは、事の状況を把握するのに十数秒ほどかかった。それもそうだろう。彼からすれば、まずありえない状況が起こったのだから。…その状況を、どことも知れぬ場所で監視を続けるマダラたちは、話に聞いていた通りの彼の力に驚きを隠せないでいた。 マダラ…

逃亡劇、そして復活 7

ケフカ「さて、俺が今から何をしようとしているのかわかるか?…分からないだろう。わからないだろうさ。…てなわけでだ。…あいつらには消えてもらう。」 ケフカは、指を鳴らして合図をする。その瞬間、外は一瞬にして巨大な爆発が起こり、あたりはだれ一人残…

逃亡劇、そして復活 6

ケフカ「あーそんくらい読めてんだよぉ!ただの道化と思っていたろ?あ?…舐めてんじゃねぇぞ。あんな雑魚共の動きなんざぁさっきから把握してるってんだ。まぁ、てめぇみたいな役所のボンボンの野郎はそこまで考えてねぇだろうがよぉ。なんだ、噂で聞いてた…

逃亡劇、そして復活 5

ケフカ「ほーん。なるほどねぇ。結界を先に解除して仲間をとっとと引き入れたほうが楽だわねぇ~。…確かに、外にもうお前の味方が到着済みっていうのは、どうやら互いに気づいていたか。」 山本「いや、俺が気が付いたのはついさっきだ。やっぱ、こういう追…

逃亡劇、そして復活 4

ケフカという人間は、あたかも、見た目通りただの道化のように見える。が、それは彼の真実の姿とは程遠いものである。道化師、すなわちピエロといえば、このような恐ろしい話がある。アメリカ合衆国の話である。1970年代、全米を震撼させた【ジョン・ゲ…

逃亡劇、そして復活 3

ケフカ「あ~あ。結界張るって結構暇だね~。ま、戦闘はあの三人に任せりゃいいわけで、らくっちゃらくだけどよ~。やっぱり、破壊がなくっちゃあ暇だよなぁ。…それに、やっぱり、阿鼻叫喚の地獄を見せたほうが…て、ああ!なんかこっち来た!!。」 一体何事…

逃亡劇、そして復活 2

それほどの感想を抱くほど、セイバー足利義輝の強さは常軌を逸しているとしか言いようがなかった。特に、ランサーは過去に冬木の聖杯で対戦したとある弓兵【アーチャー】のサーヴァントのことを思い出していた。 山本「ほんと、どうやったらあんな化け物に育…

逃亡劇、そして復活 1

ビリー「いやぁ、これはちょっとやりすぎじゃないですか山本さん…。最初からそれやっとけばよかったんじゃない?」 山本「ああ、そうかもしれないなぁ。でもよ、流石に切れちまった…。あんな、あんな畜生によりにもよってだ。」 先ほどの爆発とは打って変わ…